
前の記事の続き…。
ただ待っているだけなら少しでも進んだ方がいいし、
途中で電車が動いたら、そこから乗ればよい。
なにより、こんな状況下で、
たやすく電車が復旧するとも思えなかった。
人でごったがえす新宿から乗るより、
人の少ない駅へ進んだ方が得策と思った。
……なによりも。
この日私はすごく運が良くて、
数か月ぶりにペタンコ靴を履いていた。
たった1足しか持っていなかったペタンコ靴。
いつも通り、朝ヒールを履いてお家を出ようとしたとき、
たまには楽しようと思って、
数か月ぶりになんとなく履いたやつ。
これなら歩ける。
靴に"歩け!"と言われているような気がしました。
仲が良かった男性同僚2人がたまたま西武線沿線だったので、
一緒に歩いて帰ることにした私。
これは心強かった~!
今でも覚えています。
道いっぱいの沢山の人達が、ただひたすら歩く光景。
3月11日は、3月なのにすごく寒い日でした。
(調べたら、最低気温は2.9℃でした)
寒すぎて途中で居酒屋で休憩したりなんかして、
ひたすら歩くこと4時間。
寒くてとてもつらかったけど、
被災した人たちの事を思うと、
こんなことで辛いなんて思っちゃいけない!
被災地の方々と比べたら屁みたいな状況なんだ!!
という思いでいっぱいでした。
上井草に着いた時に、電車がホームに停まっている光景を目にしました。
飛び乗ってみたら、電はガラ空きだった。
運が良かったんだと思う。
3月11日は情報も錯綜していて、
上井草から電車が出る事なんて、
その場にいた人たち以外誰も知らなかったと思う。
そこからは電車で新所沢まで行くことができて、
自宅に着いたのは11時過ぎ。
会社を出て6時間半。
帰宅難民の中では、おそらく早く帰れた方だと思います。
部屋の物は何ひとつ倒れていなくて、一安心。
テレビをつけてみると、
新宿駅は入場すらできないほどの人ごみ。
まだ電車も復旧しきっていない様子。
それを見たとき、
歩く決断をして良かったと、心から思ったのを思えています。
あのまま暖房効いて暖かい会社に残っていれば楽だったけど、
残っていたら帰れなくなっていたんじゃないか…と思う。
私は東京にいて、自分の家へ帰ることもままならないんだから、
いくら東北の人を心配したって、1mmも状況は改善しない。
胸を締め付けるような悲しみの中でも、
今自分が出来る事と言えば、
人に迷惑をかけずに自宅に帰ることだけ。
とにかく、今の自分に出来る事をする。
困難な状況になった時、
自分ができるベストを尽くす。
そうすれば、きっと偶然(チャンス)は自分の方へやってくる。
震災の混乱の中で、そう改めて気づかされた一件でした。
震災直後は、自分が何もできないやるせなさから、
ダイエットがてら外走ってた私(笑;
この、「何かしたい」という気持ち、
いつまでも忘れないように。
今の私に出来る事と言えば…募金くらい。
今日きっかけバス経由で募金させて頂きました。
学生さんの活動。
若い子の心に深く刺さってほしい、という気持ちを込めて。
早く東北に春がきますように。